いうような芸当は出来ないのよ。すると、そのうちにいつしか風は埃を運んで、遺憾ながら草履なしでは歩くに難き板の間よ、となってしまいます、風のつみよ、ね。わるいのは。
この手紙終る迄甲高いあのチュウジョウサン! がきこえないといいと思います、八百や魚やの品わけが、午後というわけだったから。
九月六日のお手紙。先ず本の予告の勘ちがいのこと、お詫びいたします。仰云ることよく分ります、わたしは、これでも追風に背中をもたせて足をすくわれない用心はして居るつもりなのですが、あの本のことは、すみませんでした。尤も、出版計画のなかったことを真さか、空耳できいたのでもなかったのでした。出版所の顔ぶれが急に変ったにつれて既往の出版プランは殆ど大半変更になった中の一つであったようです。ジグザグの幅で見てゆくことの肝要さは、これから益※[#二の字点、1−2−22]適切であり、さもないと帰趨を失うことになりましょう、咄嗟のいろいろのときね。よく気をつけます、つまり、勉強してよく万事を考えます、リアリスティックに。学ぶべき経験であったと思います。くりかえしますが、わたしの気分に立っていたのでなかったのは事実です
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