です。グロッキーで、御飯の仕度もしているので、このカビも見つけ出したというわけです。台所もブーブー云い乍らやったが、バカにならないですよとニコニコでした。
きょうのわたしのお喋りは、何となく炭酸水の小さい泡のようでしょう? わるくない御機嫌というところでしょう? いろいろわけがあるのよ、一つは涼しいこと。そのほかはひろき波音のあの音この音。
八月二十八日のお手紙三十一日につきました、大変早かったこと。周防の麻里布の海のうた、思い出すようです、あの頃の官船、赤船が麻里布のさきを通ったのではなかったかしら、何だか遠くに赤船がゆく、余り遠くて、たよりもことづけられない、という意味のうたがあったように思います。このあたりにしろ、虹ヶ浜にしろ、あなたの想像なさるよりも倍も倍も変ってしまっているでしょう。麻里布というような地名からの感じは、遙かで、赤船の色彩的な迅い感じと美しく調和します、あの辺の(中国・四国辺の)美しさは、そういう連想からも生れるのね、東北のは人間生活の歴史の絢《あや》がなくて、自然のままの優しい荒っぽさの情感です。日本人がああやりこうやりして生きて来たことを中国はなつかしく
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