お眠りになれるのは本当に助けの神です。それ丈お疲れになるということですが、それにしろ眠れるのは助かります。もうすこしの辛棒で秋涼になります、かけぶとんの綿の柔かい暖かさが可愛ゆく感じられるように。今年の夏わたしは万端一人でしたから疲れも去年よりひどかったのよ、去年はうちのことちっともかまわないでよかったから。では又、呉々お大切に。
九月一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
九月一日
きょうは二百十日です。涼しい朝でした。十時頃ですが、まだ日よけの葭簀の下に朝顔が開いていて美しゅうございます、ひどい蓬生《よもぎう》の宿になってね、その雑草の中に、這い次第に咲く朝顔は風情深うございます。春休みに太郎が来たとき蒔いたのが今咲いているのよ。秋の朝顔という字もきれいです、早い夏のは凡俗ですが。咲きのこったように花が小さく色が濃くなって、秋の朝さいている花はきれいね。目白の上り屋敷の駅の外のごたごたに、秋咲く朝顔があって、いつも目にとめてはあすこから池袋へ電車にのりました。
涼しくて体が苦しくないとうれしいうれしい気がします。今年は秋が待たれます、早く残暑がすぎて小堅く涼
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