しは気づまりなのや、自分が入って行くと何となし話やめるというような空気は沢山だわ。私が行っていて、私のいない折、下でよりより相談、何となし調子が改るというようなのはへこたれです。こんどは、一緒に解決するのはやめましょう、必ず結果は面白くないから。こころもちが。御機嫌伺い、お墓[#「墓」に「ママ」の注記]り、わたしも休ませて頂き、それで十分よ。そして、あとから、二ヵ月もして、手紙でお話し下さり次いで私もかきましょう、却って、ずっとその方がさっぱりしていい結果です、それは確。まして無責任に考えているのではないのですから。どうぞこの案に御賛成下さい。それについて、あなたとしてお話になりやすい条件を思いましたから。そのためにもすこしあとの方がようございます。御自分が隆治さんについて云っていらっしったと同じインシュアランスをおもちになるのです。わたしがどうかあれバ、あなたは不自由なさらないようにして考えてあるけれど、自分にとってあなたはそういう風な面で考えられませんでした。しかしお母さんのお気持に対して、あなたが御自分からの配慮として、では、誰が責任負ってくれるのだろうという場合のお母さんのお安心のために備え、其をあなたが御自分の側の一つの条件としてお話しになれば、よほど全体がすっきりいたしましょう。なかなかの妙案よ、ユリにしては。すこし良妻だと思うがどうでしょう。
手続のことは私のを扱った前からの係の人間で雑作なく出来ます、こちらで。面倒くさい調査なんかなしに。只直接の受取人が地方だとすこしうるさいかもしれず、それを研究しましょう。わたしのは、あなたになっているわけですが。
こうすれば、勿論そんなものと別に、段々責任を果してゆくにやりよいわ。心もちに与える第一印象が、ね。心づもりしていらっしゃるよりも多いめにしてね。たしかにこれはいい思いつきです。マリを放るにもむこうにうけとる人か壁かがなくては張合ないようなもので、お母さんにしろ何かああそういう工合のか、と、何だか手ごたえのあるようにお思いになりましょう。でも、考えるとすこし笑えるわね、観念的というようなことは或る特別な人間にだけ、かかわりあるようにふと思って居りますが、安心というものもすこし似たところがあるのかしら。それは勿論根拠はあるようなものだが、あんまり比較にならなくて、ともかくマアそう考えつきました。
全く
前へ
次へ
全179ページ中21ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング