けられるかもしれません。きょうは疲れてマクマクのレロレロよ。家中にいるのは寿江子と私と台所の一人と書生。国男、太郎はみんなかあさん[#「かあさん」に傍点]のところへ。実に久しぶりのしずけさで若葉の色をしんから眺めるような気持です。たのしみなことも出来たし、きょうはいい心持で、どうぞおよろこび下さい。一ヵ月に一度でも私がゆければ寿江子は上りません。あのひとはこの頃体の工合がわるく、やせて閉口して居ります。糖は営養がすこしあやしくなると因果と糖が出るようになり、それで益※[#二の字点、1−2−22]営養は不良となるという堂々めぐりです。来週あたり国府津へゆくでしょう。
ああちゃんと子供は月曜の雨の中を出てゆきました。よほど重荷が整理された感じです。咲枝がサービス疲れのようなのもあちらならなんと云ってもやすまりましょうから。国もドメスティックな人なので細君がいないと何となく悄気《しょげ》ていて気の毒よ。自分の考えたことで安心はしながらも。この間二度つづけて永い力作をさしあげたら、何だか当分ぎっしりとつまった手紙かく根気がぬけて居ります。でも、あの手紙をかいたおかげで今私の気分はいろいろさっ
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