きめ》を少しずつ少しずつ裂かせはじめました。
次の朝、太陽はいつものとおり東からのぼり次第に金色をました光の漣にのって、谿谷をすべり、山の頂をてらしつつ白い城の窓々を訪れました。が、朝日は稀有な見ものを見たように、暫く日あしをたゆたって、その薔薇窓のところから去りかねました。太陽は、数千万年地球の不思議をあまた見て来ました。それでもおどろきというものはまだのこされているのを知りました。
毎日、毎月、毎年、変りないなめらかな薄桃色の床に挨拶しつづけて来た太陽は、この朝、全く思いもかけない発見をしました。太陽が、あちら側の山河や人間の都会と村を照らしていた間に、この人跡絶えた城内で、何事がおこったというのでしょう、昨日までの瑪瑙の床は、もうそこには在りませんでした。こまかい唐草模様の浮いた四つの壁の中央に今みることの出来るのは一つの大きい花ばかりでした。しかもその花は、まだ生成の最中にあるらしく、肉のある敏感な花びらの一つ一つが、息づき乍ら揺れながら燐銀の焔の中からのび上って来ます。ああそして、どんなつよい命がふきこまれたからというのでしょう、そうやって揺れ息づきながら、花は尺度で計る
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