のを、より科学的に説明してやるにつれて日本の独特性をも納得させてゆく、というような方法には全くかけているのね。肥った人という感じをくっきりさせるには、傍に瘠せた人を示すのが上分別という文化上の方法。最も自然な方法さえ手に入れていません。啓蒙される側では自分に馴染ふかいよりどころがなく来るからのみこめず感受が自然にゆきますまい。そういうことについても感じるところが多くあります。導きては導かれるものよりも常に勤勉であるべきです。
――○――
安積から寿江、ひき上げて来ました。二十何日かいたのですが、身が小堅く肉づいて元気そうになりましたけれど、本気で二時間勉強すると夜眠れない由です。病人はやはり病人を中心とする生活を組立てないと無理なのね。病人同士かたまるというのでなく、丈夫な人間が引添って病人を中心に段々健康環に近づけてゆくという仕事を中心にした生活が必要なのでしょうが、うちでは、迚も不可能です。泰子が衰弱をとり戻せずこの数日来葡萄糖を注射していますが、食慾なく、母の目には益※[#二の字点、1−2−22]やつれを加えているらしいから。
泰子は全く苦心のかたまりです。一家の大き
前へ
次へ
全440ページ中312ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング