と思います。ツワイクが「流謫《るたく》こそは創造的天才をして、己の真の事業の視界と高さとを測らしめるものだ」という極めて感銘の深い言葉をフーシェについて書きつつも、自身の流謫的境遇を何故そのようなものとして、「眠ることを知らざる人間の意志の鍛錬されるところ」としてうけとれなかったのでしょうね。近い時代に文学者の死で、私たちに生きることを教えて人たちとしてバージニア・ウルフ。ツワイク。トルラーなどがあります。これらの人たちは自分たちをはぐくみ、自分が創造して来た昨日までのヨーロッパ文化のよかれあしかれ最良の分野の生存者でした。異様な形の入道雲を地平線にのさばらせつつ崩壊する旧文化とともに命を終った人たちです。
いつぞやの『外交史』ね。私はフーシェをよむにつれ、アントワネットをよむにつれあの本がよみたいのよ。どうか上下二冊送るようにして下さい。ロベスピエールなど、又ナポレオンの外交、タレイランの外交をあの本はどう見ているでしょうか。ツワイクがナポレオンの活動の最も人類的高貴なのは、政権を統一し不換紙幣の整理をし、いらざる流血を終息させ、生産を興隆させた執政官時代であり、コルシカ人のフラン
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