心したことでしょう。いつぞやの夏のような苦しさは、二度と願い下げです。本当に状態がわかって何とよかったでしょう、ありがとう。少し早目に(体の調子を云えば)手紙かいて下さっただけのねうちは充分ございます。もうこれでいいから、どうぞ大事に熱の下るよう風邪をお引添えにならないよう願います。
 私は十一日頃参りましょう(水曜日でしょうから)。その頃はもう熱もすこしは、おさまって居りましょう。
 しかしもし熱の工合で御考えでしたらことわって下すっても大丈夫です。只私はわけさえわかれば納得いたしますから。
 私の方はどうやら幸もって居ります。近視の度の進んでいることを発見したので近く検眼して眼鏡をかえます。もうウロプンクタールはないから、悪いレンズでは仕方あるまいと思いましたが、やはり戸外を歩く時なんかは度の合ったのでないと疲労が早くていけないそうです。ものをよみかきするには今のでもいいらしいのですけれど。
 きょうは大変暑うございますね。細かい字をつめてかくことが出来にくいのよ、御免なさい。フーフーだけれど心は計画にみちていて、活気をもって居ります。辛棒の仕甲斐ということのよろこびも、折にふれて
前へ 次へ
全440ページ中235ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング