感じ糸のこぶと話でもするような気になってほどきます。大したこともないナという首の曲げかたで縫った[#「縫った」に傍点]ところ御覧になるときの様子も見えるようですし。
しかし私は良妻ですから、そんな風に只抒情的であるばかりでなく、其にしてもほどけたり、やぶれたりするのはいいお気持でなかろうがと研究もするのよ。この次はどこを特に念を入れ、世間並の縫いかたとちがえた方がよいか、ということなど。大したものでしょう? 一寸ほめてやるねうちもなくはないとお思いになるでしょう。
『インディラへの手紙』第二巻読みはじめました。夏の間に、これと『外交史』ともし出来たら『貿易論』という本よみたいと思います。『インディラへの手紙』は第三巻が九月に出ます。出たらお送りしましょうね、『外交史』第二巻どうぞ下さい。シートンいかがでしょう、二巻以下お送りしましょうか。いくらか鼻につくところもあるから、余り熱中もいたしません。しかしブランカとしてはロボーの堂々ぶりを知っておいて頂く方が話がしやすくて。ですから第一巻は、どうぞどうぞ、というわけだったのです。ブランカはいろいろに唸ったり、いたくなくかみついたり、ロボー
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