げた通り。衣料切符その他のことの必要から私たちはここへ寄留いたしました。シャボンその他日用品は不在だから配給なしなのよ。
白の浴衣のことわかりました。ねまきお送りします、とハガキかいて包みかけたら何となく洗濯がさっぱりしていなくて心持よくなかったので洗っていておそくなりました。それから白地のふだん着は大分汗やけがしていてすみませんが、今年はこれで御辛棒下さい。来年はちゃんと縫い直しますから。それでも本当の木綿《モメン》がいいと思ってこれにしました。この雨があがったら送り出そうと思っているのですが、今になってよく降ることね、本梅雨ね。
栗林さんのこと、わかりましたろうか? 閉口ね。私は悄気ているのよ。それから日光書院も、これ又とんちんかんね。ところが、ここ迄書いて、円い焼物の状差しをさがして受領書見たところ、トンチンカンはペンさんもあずかっていて、これには麗々しく月刊講座とあります。ダダと下へおりて行ってズーズーと日光書院呼び出したが、音沙汰なし。日曜というより電話こわれているらしいの。又あやまらなくてはならないのは何と辛いでしょう。だからペンさんはもうおやめでよかったのよ。心此処に
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