への反撥が作用してもいるのでしょうね。もうくたびれたからさよなら。

 六月二十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(安芸厳島神社の写真絵はがき)〕

 六月二十四日。ねまきお送りいたします。もう一枚の単衣の方はさし当り、去秋(九月中旬)お送りしてかえらず、そちらにあるメイセン絣ペナペナだけれども、今ごろジュバンの上へお着になれます、どうぞそれを着ていらして下さい。新しいのをこしらえてお送りしますから。麻のや白を着る前のは、もとから無かったのよ。一枚いい心持のがあったのを、私がいなかったとき(七年も前)消え失せてしまいました。別に手紙をゆっくりね。

 六月二十七日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

 二十五日づけのお手紙ありがとう。二十三日のも頂いて居ります。魔法ビンはよかったこと。不思議なこともあるものなのね。悪いことばかりはないというのは、このことでしょう。古い方は両全会へもって行って届けます。札をつけて。来月自分でゆくときに。
 官報販売所は、例により電話で話が要領を得ませんから、往復ハガキを出しそちらへじかに返事するようとり計らいました。栗林さんは、へこたれ
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