、読者の質が下った下ったと云っていたのでは、作家自身自分も半面では何かの読者であってその面でどんな読者であるかということを考えるきっかけを見出さないわけですから。そして、文学が創られてゆく過程では、下った質の読者に追随するのがわるいとして、では何処から自立的な作品を生んでゆくかと云えば、つまりは作家がどういう質の読者であるかということにかかって来るわけでしょう。ここいらのところがなかなか微妙で文学にとって極めて本質的で、面白いわねえ。いろいろの面とのひっかかりで、文学の文学としての自然な自主性が云われているけれども、作家として問題にすれば、窮極のところ、そこが要のようなところがあるのにね。
 二月はそれでもなかなか能率的であったと思います。『婦人朝日』の小説二十二枚。それに『新女苑』のが二十七枚。『帝大新』が十枚。そのほか婦人のためのもの二十枚ほど。小説を二つはがんばったでしょう?『新女苑』のは杉子という女主人公で、その題です。これは女大ぐらいの女学生の生活からの物語です。
 中公の本の初校、もう殆ど終り。さち子さんが技術家ですからやって貰って、今夜あたりから私がそれを又見てすこし手を
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