テムポテムポで心がけるつもりにしました。なかなかむずかしいけれど、まアその気になってね。
 実業之日本で又本が出したい由。私は竹村より、こちらをのぞみます。部数その他の円滑な点から。只、『明日への精神』とはどこかちがった、つまりどこか展開した内容の本にしたいと考えるわけです。それがどんな風にゆくかと考え中ですが。なかなか考えることどっさりあるでしょう。
 頭ってよく出来て居りますねえ。体というものが全く驚歎すべきものではあるけれど。よくよく眠って、美味しいボンボンでなぐさめてやって、散歩して、精力をたくわえてよく仕事することだと思います。かぜお大切に、呉々もね。

 二月十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

 二月十五日  第十信
 今は静かな午後二時。二階にいっぱい日がさしていて、手すりに布団が干してあります。物干に小さいカンバスの椅子を出しかけて、そこに私の上っぱりを着た寿江子が桃色の紐を上からしめて、おとなしく日向ぼっこをしながら本をよんで居ります。私は室の内で、スダレをおろしカーテンで光線を柔らげ、足元を暖かくこの手紙をかいているという、そういう光景。
 そして、
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