トにひきまわされつつ、しかも今日の私たちから見れば、ダットさんが示しているような時代のすき間に落ちこんだ典型であるというところです。
あの宿題を勢こんで片づけたことから段々仕事にはまりこんだ気になれて来てよかったと思います。ブランデスを見たらブランデスなんかはバイロンを自然主義作家の中に入れているのね。しかし、『発達史』の著者が見ているようにロマンティシズムの一つのタイプだというのが妥当でしょう。ハイネが三つの時代的要因の間に動揺したいいきさつもよくわかって面白うございます。バルザックからゾラへのうつりゆきも面白いし、フランスの十八世紀後半から十九世紀の世相というものは実に大したものだったのですね。ディケンズの背景をなすイギリスの様子もよくわかります。そして改めて感服し、おどろき、深い感想をもったことは、日本の文学が十一世紀頃大した進歩をしているけれども、十六世紀以後、ルネサンス後の世界が大膨張をとげて近代文学を生んでゆく時になると、もう関ヶ原の戦いでやがて十七世紀は鎖国令を出している点です。文芸復興の初頭十五世紀、日本には足利義満がいて、能楽が発展していて、平家物語の出来た十三世紀
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