く教えてやってくれるだろうからいいのだけれど、十歳前ではおっかさんからはなしてつれてゆく自信がないから。太郎には乗馬と泳ぎと機械体操だけは、ちゃんとしこんでやらなくてはいけないと本気に思っているのだけれど、太郎は運動ぎらいで、運動会の予行演習があると、おなかが痛くなってしまって(※[#疑問符感嘆符、1−8−77])早びけしてかえって来てしまうのよ。頭からっぽのスポーツ好きも悲しいけれど、こういうのも些か苦手ね。これからの男の子はどういう面からも自分の肉体を水陸でこなしてゆける実力をもたないと、或る場合、下らなく消耗しなければならないのにね。この間九州で汽車の事故がおこったときだって、死んだのは女、子供よ。泳ぎを知らないから。私は運動会――競争そのものはしんからきらいだったけれど、体操や何かはきらいではなかったのに。ものぐさというのでもないのだけれど、太郎のは、ね。緑郎がそうでした由。緑郎は最後に出る船でかえるでしょう。この間イギリスから最後の船が日本に来て、それと交換のようにリスボンから日本の船が出るらしいの。外務省へ電報が来ました由。緑郎ももう二十九か三十よ。どんなに変ったでしょう、
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