めています。スウィフトやフィールディングを余り買っていないのね、ゴールドスミスは可笑しい見栄坊でジョンソンのとりまきの一人だったのね。そしてルソーに対してジョンソンはその時代のイギリス市民の一番お尻ッぺたの厚いところのような見かたをしています、ルソーの必然を、せいぜい本人が心得てやっているバカらしいこと、としか見ていないのも面白く思えます。十八世紀のイギリスの新興貴族事業家、市民のそれとの妥協などのいきさつが、ジョンソンの巨大な体の中にまざまざと見えます。漱石はジョンソンをどう見ているのかしら。
 ストレチーという伝記作家が「エリザベスとエセックス」というのを書いているのを片岡鉄兵さんが訳して其をもらいましたが、この人がポープをかいているらしい様子です。あのポープの型にはまってしかも常識的なひややかな詩[#「詩」に傍点]をストレチーはどう見ているのでしょうね。
 ストレチーはヴァージニア・ウルフなどのグループに属していた人で、やはり歴史を心理的機微をモメントとして見る人です。そこに面白さとつまらなさとあります。心理主義の傾向は、対象の個人の内部にだけ事件の入口と出口をもとめる傾きを導き
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