年にはケーテの二男が戦死しています、五十八歳頃に、その後に(一九一四年)ひきつづくひどいドイツの生活の中から飢えや失業、子供の死を描き出しています、私のもっているのは主としてこの時代の作品が集められているのね。ケーテは実に女と子供と父としての男の生活に敏感です。グロッスより時代的には前の画家だそうですが、グロッスよりも遙にリアルな作家ですね。勿論グロッスは諷刺画家だけれど。
『アトリエ』ではフランスのマズレールとコルヴィッツとグロッスなどの特輯をやるのですって。マズレールの人の一生という極めて面白い版画本があります、それから『都会』という大きい本も。
同じこの雑誌に藤島武二の絵、藤井浩祐の彫刻など出ていて、何だかびっくりする位ね、下らなくて。
この時分、中川一政はまだ若い画家で山塵会というものをつくったりしていたのね。(昭和二年ごろ)
明日あたり図書館へ行って魯迅全集を見て、ケーテについて彼のかいているもの[自注1]をしらべましょう、なかなかたのしみです。
お早う。けさはいかがな御機嫌でしょう。いい気持? 机の上の桜草が、たっぷり水をもらって、こまかい葉末に露をためながら輝い
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