てね、でもこんなにくたびれていては、久しぶりであなたどうしたかとお思いになるといけないかしらなんかと考えていたら(大船あたりで)横の席の人が、日曜日だって朝刊がないっていうわけはないだろう、と笑って云っているのがチラリと耳に入って、あら、じゃきょうが日曜かと急にぐったりした次第でした。
 そんなにせっついた気持だったところへかえってみれば待っていたものがあるし、おなかは力がぬけているしで、月曜おめにかかったら、笑える唇の隅が妙な工合にぴくついて。可笑しいわねえ、おなかがフワフワになるとああいう風になるものなのかしら。あなたも気がおつきになっているのがわかりました。
 一昨日は、あの手紙の束もってかえり、夕飯後すっかり整理してみました。一どきにしたいことが三つもあって、あの晩は弱ったわ。明月でしたろう? 二階とてもいい月見が出来ました。その月も眺めたいし、手紙も書きたかったし、整理もしたかったし。丁度お愛さんが一ヵ月のくくりで五十四円六十銭也をもって会へかえって留守で、たった一人でしんとしているし、どれをしようと迷った末、遂に最も実際的な整理をすることにきめました。一九四〇年は前半まであ
前へ 次へ
全471ページ中329ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング