ことねえ。その子の絵に面白いところがあるとすれば、それは即ちそうやってあり来りのきたなさの中に何か生活を見ているからでしょう? そこが別々に見られるのね。美的なものというものがあるという風に見るのね。健全なものがあってそれはどんな不健全なつかいようをしても健全であり得ると誤解している人だらけなのを、改めて考え合わせます。
 芸術における世代とは何と厳然たるものでしょう。
 そのことは、詩集のありようにも映って居るわけですもの。
 全五巻のほかに別冊としてある素足だのボンボンなどの描写、追随を許さないものがあります。別冊がやがて全六巻という工合にあみこまれて、きっと又未定稿がまとめられるでしょうね。ちょいちょいした断章に、忘られないのがあるわ。すぐれた詩人は、二三章の断章の中にも感銘をこめる不思議な魅力をもって居ります。息吹という題で、いく章かの断片がある中に、覚えていらっしゃるかしら、さっぱりとすがすがしい丘に、さわやかに軽く匂い茂っている浅い叢。その丘にふさり、手でその軽い叢を梳《す》きながら、遠い泉のしぶきの音に耳をかたむけている一人の女を描いた、淡彩風の短詩。それから、夏の篇の驟
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