川を見て、すばらしい川だと云ったとハガキよこしました。親の言葉がこんなにそのままうつるのよ。大笑いで気味がわるいわ、ねえ。三つの女の子なのよ、やっと足かけ。
 北海道のおかあさんの次の息子がやっとお嫁さんをきまりました。その嫁さんをむかえにかえっていて、今につれて来るでしょう、あの母と息子はこういう風に気質がちがうのよ、たとえば嫁さんもらうと、母さんの方は、はア若いものが何かのとき世話になるだもの、皆さんにおちかづきになって貰えというと、息子の方は、きまりわるいよ、田舎なんかからぽっと出た女房。万事そういうちがいがあるの。お嫁さんが来るときっとそういう問答が行われるでしょう、と栄さんと話して居ります。何かいいお祝いを考えましょう。
 明日はてっちゃん。火曜に午後。風が吹いていやね。
 きょうはくたびれて何となくほーとして居ります。では。

 五月八日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

 五月八日夜  第二十三信
 今九時すこし前で、私はおどろの髪をふり乱してこれを書いて居ります、そうかくと可怖《こわ》いでしょう? 髪を洗ったのさっき。そしてそれがかわく迄これを書こうというわけ
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