カだなとおっしゃるでしょうね、きっと。けさなんかあれでふらふらだったのよ。寿江子は、ホラよく芝居に出るでしょう、お姫様がナギナタひきずったのが。一応ナギナタかいこむのは健気《けなげ》だけれど、つまりはひきずって、はたで見ていて私がジリジリするというのが落ちで、経済上の意味でも暮せないわ。
土曜日に周ちゃんを送って目白の駅の横で自働電話を森長さんのところへかけました。そして雨の中傘さしてやっぱりうれしい心持でかえって来るナと自分の心持を思いました。
今日の気持では何だか明日午後でもふらりと行きそうな調子です。ね、面白い心持です、懐の中から詩集が一寸その美しい角をのぞかせているのよ、でも、今は又仕事だからね、ひっこんでおいで、と猫の仔を抱いているように云ってきかせて、頭一寸たたいてしまっておくのよ。
四月十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
四月十四日 第十九信?
まあ、まあ、どうでしょう。十日も御無沙汰! それだのに私はきょうおやと何だかびっくりしたのよ、三日の手紙よんだよ、とおっしゃったから。あら、それから私は一つも書かなかったのかしら。と。書いていやしない
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