るうちに車軸は変な磨滅をして、こんど真直車を押してゆくというときすらりと進まず、必要もないのに、あっちへくねりこっちへくねりもしなければならないこともあり。もののすりへることについて、どの面がどうすりへらされるかということについて、少くとも自分だけははっきりして科学的観測の能力をもっていなければならないのねえ。この頃は深くそのことを感じます。自分の物理学を知っていなければいけないと、ね。それぞれに違った条件の中でそれぞれちがったへりかたが生じ、そういうことが全然ないというようなことは現実にあり得ないのですもの。
パウル・ヴォルフの写真帳が偶然目に入り、うれしくておめにかけます。私が余り砂っぽい風を顔に吹きつけられているせいか、ヴォルフの芸術のたっぷりさは実に快く、きっとあなたもいいお気持でしょうと思って。あのお送りかえしになった作品集の中に二枚ヴォルフのがありましたね、海浜の子供のと、花の蕊の美しいのと。ヴォルフがこの作品集の中のでも、機械と人間のくみ合わせを扱っているところで先の写真帳の中のアメリカの作品のように、単なメカニズムの興味で、反射映像を弄《もてあそ》んだりちっともしてい
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