はないけれど、こういう気分を考えてみると私もなかなかスポーツの精神は諒解して居りますね。相当の登山家ともなれる素質が些かあるようでもあります。チンダルの「アルプス紀行」はそのことを思いおこさせます。氷河のわれ目だの雪崩の観察だの、自分の肉体の力の測定だの、美しい人間の精神の敏活さを感じます。それが、自然を剋服してゆくものとして明瞭です。私も段々にこうして贅肉のそがれた精神の力を身につけて行くのでしょう。さらりとして、自在で、自在であり得るということそれ自体がどんなに中心が確立しているかということを語っているという風だったら見事ねえ。
『文芸』の仕事の間、あついときも上野で暮して、これも実にいい習慣です、その点、やはりのんびりした見とおしがあってね。自分の本棚にない本は無い本だという古典調はないから。楽天的よ。何かまとまった勉学は、自分の書棚だけで出来ないこと痛感していますから。
私のたった一つのおねがいはね、あなたにのんびりしていて頂くことよ。ピンをとめるべきところへはもうピンがちゃんととめられてあるのですから、ユリはがたがたにならないのだから。きょうあたり、こうやって書いていて、い
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