だというなら二百六十何円の税というわけです。どこから其を払ってゆくかということについてはとりたてる方は問題にしないのね。
こんなに苦心していれば、小説の点のようにどうにか展開いたします。小説はつまり現実のことですから、丁度小説の世界のシチュエーションを考えてゆくように、諸条件をよく調べて、内外の動的な作用をよく観察してプランを立てれば、きっと最小の展開はいたしましょう。感情的にならないで考えられるようになればもう占めたもので、そろそろ大丈夫よ。それは手紙の調子でお感じになれるでしょう? 何も経験ねえ。子供のひきつけで、はじめ動顛した母さんだって二度目には少しは呼吸がわかります。先は、いいえ大丈夫です、落付いています、そう云いながら洗面器の水で手拭をしぼろうとして洗面器のそとへ我知らず手をやっていたようなところを思いだします。やかましく云って下すって、金ダライのありかがわかって、というようでもあったわねえ。あれこれ考えると、やっぱり面白いものと思い、苦しいところの面白さも感じて来て、何かのスポーツのような興味もあります、今度は今度の条件でうまくやろう、と。
私はちっともスポーツの鍛練
前へ
次へ
全471ページ中120ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング