ね。
 さて、ピアノの物語ですが、それは開成山の小学校にピアノを昔寄附したのです母たちが。古いのを。それがガタガタになって、この頃は郡山に放送局も出来たしなおしてくれと云われ、それは千円もかかりしかも命は五年というのでそれに一寸足してホールゲールというのを買ってやって、国君はピアノと云えばこちらへ来る話を区切りたいのね。寿江子は自分の持っていないから、そして、自分の商売道具だから、そんなところへ買ってやるんなら自分に、という神経にさわるところもあるらしい。父がいれば自分の方を買ってくれるんだのに、そう思うところもあるのね。国ちゃんのいい心持になってお辞儀されるのがすきさからと思うのでしょう。まだ田舎での立場の辛さわからないところがあって。それで、私に相談というわけなのよ。ですから私から間接に話すなんて、水臭いことせずに、寿江子に自分から話して、寿江子の今使っているのでコードの切れたところをなおしてやる、今はそういうことにしておくと、あっさり云えばいいということにしてうち切り。
 寿江子は不仕合わせに育って、ひどく浪費的です。自分で知らないで。だから、ピアノなんて、買いなおしたり出来|な
前へ 次へ
全471ページ中101ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング