の単純なものだとは思いもいたしませんし。そして、やっぱり満点細君でありたいわ、ねえ。それは、そうでしょう? そして、私としてそうである現実のモメントはどういうところにあるかということだって、それはわかるわ、ここにシンセリティのこととして云われているとおりに。わかるのよ、そして、わかっているのよ。
 私は一つお願いをして置こうと思います、よくて? どうぞどうぞ忘れないで覚えていらして下さい。それは、次のようなことです。三日に、あなたは、これからこういう必要もないだろうが、と云っていらっしゃるけれど、実際のところ私たちの生活で、もうこれから決して只の一度もダラダララインにひっかかるようにしないなどという高言は放てないと思います。私は、ほんとうにひっかけないようにしますが、でも、もしそういうことがあったら、そのことについてはどんな落雷もいとわないわ。そのことについてだけのガラガラピカリは相当であってもいいから、どうか、ほとばしらないでね[#「ほとばしらないでね」に傍点]。つまり、それが出来ないなら云々というところは、どうかのみこんで下さい。どうも私はあれをきくと少々気の変になった驢馬めいた気持になるらしいから。何だかデスペレートになってしまう。バタつきたくなるのよ、可笑しいでしょう。
 ピカピカゴロゴロは風雨を誘うものでありますから、その天然の理法によって、ピカリとすればおのずからホトバシルのかもしれないし、そのところだけはぬかして鳴ってくれとたのむ方も虫がよすぎて相すまないのかもしれないけれど、でも本当にお願いいたします。よくて? 本当のお願いよ。どんなひとだって、急所はあるものよ、私の急所はその辺らしい様子です。ソクラテスは、偉かったでしょうが、或はこの急所をきっといくらか揶揄《やゆ》したのよ。女房というものは獰猛《どうもう》なものだということを余りえらすぎて忘れたのよ。クサンチッペをこれだけ擁護するということは、私もバタつく驢馬になれるし、それから先のものになる可能もある(!)というおそるべきことなのかもしれません、可怖、可怖。
 私は、よくよくあの「それに応じて」以下数個の文字がいやと見えます。たとえばこの二つのお手紙の、懇切さにつづいて出て来たにしろ、そこへさしかかれば、きっと、私は胸の中が変な工合になって来て、いやあだと感じるでしょう。もとより原因をなくすかな
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