番切実な感情を、それぞれの手法によってとらえるのかと、そのことで、いやアになってしまったのよ。些か嫌人的になりました、誰彼ということなし。
 壺井の栄さんとでも会う用なら、まだすまなかったからのばすわ、そうね、それがいいわですけれど、ね。
 おわかりになるでしょう? きちんと用を果す果さないとは全く別箇のことなのよ、私の心持にこたえた意味は。こういうところが、機微ですね。そして、同じことを、そのように私なら私がつよく感受するのは、ただそれだけがあるからではなくて、あなたに向っている私の心持全体が生活的に、そういう心持なら、じゃアという扱われかたをうけているものだから、そういういきさつの中で更に、そのひともやっぱり何かの形でその点をつかむということが、がっかりさせるのね。この感じは私にとって初めての感じでした。紙やすりで、胸のどこかをさかさに撫でられたようで。
 今日、あのときのままの感情でいるのではないのですけれど、それでも、どんなにそれは索然たる情けなさだったかやっぱり表現したいと思います。そして、面白い思いも経験しました。そのつまらないという感じを通してでは、良習慣とか何とかいうものへの魅力も、心を輝やかすものとしてはちっとも作用して来ないというのも、あなたにとっては意外に思えるでしょうか? 私は自分の心持を辿りながら、ははアこういうものか、と大いに学びました。
 自分の感情に甘えるつもりはないから、勿論私は出来るだけキチンと事務は片づけるようにいたします。
 ざっとまあ、そういうわけよ。
 書かないだってすむようなものかもしれないけれど、書かずにいられなくて。だからこれだけでは出さないで、次のを拝見してから出しましょうね。
 今夜は本降りね。こんなに永雨式にふり出すと麦が又腐りはしないかと思います、島田で、ずっとむこうの線路の方に水があふれて麦の頭だけそこから出ていた眺めは侘しかったから。ジャガイモはこの間の(十七・八日ごろの)晩霜で大した被害をうけたそうです。
 明日は、実業之日本へ行って、つい先日の千部の印税をとって来ようという予定ですが、きっと降りそうね。『私たちの生活』は来月二十日ごろ本になるそうです、これはいろいろのことからでしょう。まるで順調にゆけば四五日でなくなりそうな部数しか初刷しないのですって。再版がゆけばどしどしのつもりね、商売だからそれも
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