はしない。皆色をなしてね、意見らしいものが出ると、同先生が座長に自選していて、そりゃ、君いかんよ、と意志表示をするのですって。さすがに若いものは正直だから静岡のは席をけってかえった由。文学をつくる人間のうつりかわりは案外こういうところからです。これも歴史の面白き有様。
せっせ、せっせと掘る。どうだ上手に掘るだろう、気づいてみたら、頭の上はるか土がうずたかく、外の景色はいつしかうつりにけりというようなスピードですから。
戸塚夫妻は蓼科高原に御逗留です。ここにも一つの笑話があるのよ。蓼科は日本で只一ヵ所海の気流に左右されない真の高原地帯なのですって。実に療養に理想的空気で、しかも坪五十銭で十ヵ年契約で土地をつかえるのですって。
もうこういえばおわかりになるでしょう。あらホント? と、のり出した私が何を考えたか。十坪住宅のことは頭から消えて居りませんものね。私たちの想像力は旺盛に動き出して、そのような空気の中で安らかそうに体をのばしているひとの姿まで見えます。だって百坪で五十円よ、たった五十円よ、五百坪で 250 よ。
そしたら、稲ちゃんの手紙でね、夏しか住みにくくて、その夏には四五
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