ちの間での彼女は紅一点ではないのですって。女史というのですって。つまり女らしくないのですって。面白いでしょう? 青野季吉をはじめ、どうして男のひとたちはこうもボリュームをもっていないのでしょうね。それだもんだから、「今のような時に文学なんかしていていいのかと思う」とか、「自分のようなものは文学でもしているしかないと思う」とか、いやなことを云うのですね。
 文学と云えば、晨ちゃんがこの頃すこし体がましになったそうです。そして、短い原稿をよこしました。文学についてかいたものです。よんで欲しいと。もしよかったら、そういう勉強もしてゆきたいと。まだあと一年ほど休養の由。よくなったと云っても、三十分ぐらい散歩していい位の由。ものなんかかいていいのかしらと思います。
 ではここまでにしておいて、かえってから又つづきを。原っぱのお話いたしましょうね。
 さて、原っぱへ日向ぼっこに出かけた三羽の鵞鳥の物語。
 裏の電車で三十分ほど行くと大泉学園という駅があって、その奥が私の気に入っている高原風な原っぱです。大泉へ、のり巻の包みをかかえておりると、もとはガタバスがあったのが、馬車になっているの。ガソリン
前へ 次へ
全590ページ中472ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング