ろ、やはり大変面白うございます。髄の味いのようなものね、それは小説です。私は詩がわかるだけでなくて小説家であることは何とよかったでしょう。では又ね。
十一月三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十一月三日 第七十四信
只今、うちは急に御飯をたいたりして小さく騒いで居ります、というのはね、午後から来たいと予約していた人が急につとめの工合で来なくなったハガキが来たので、この間から野[#「野」に「ママ」の注記]っぱへ行きたくてうずうずしていたもんだから、さアじゃ出かけようと今のりまきをつくる御飯たいているわけです。お恭、たかちゃん、私と三人で、うらの武蔵野電車にのって大泉というところまで行って来ようというのです。そこは只原っぱなの。しかしその原っぱは高原風で実に心持よいの。
きょうは、お休みでなければ、私はどうしてもそちらへゆきたい日です。おとといからそうなのよ。けさはお休みの朝でしょう。全く「朝の風」の心持です。「朝の風」と云えば、河出の方はもう出版届けよこしました。金星堂どうかして居りますね。自分の商売の方から云ったって、早いのがいいのに。
島田へ手紙よくかきま
前へ
次へ
全590ページ中468ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング