を、それなり扱って、或る印象の混乱しているところもあったが。目録をおめにかけます。なかに明治七年に『経済要旨』という本を西村茂樹が訳して文部省で出している本が並んでいました。面白いことね。このままで進んだのだったら孫はどんなにか祖父をよろこびとしたでしょうのにねえ。
島田からかえってのち、私余り多忙で、何だかおちおちしないみたいで、あなたも変にお気ぜわしいようでしょう? 御免なさい。私がきょろついた眼付していると、やっぱりあなたものうのうはなされないようなのがわかるから。来月五日がすんで、さあ、もういいわと、すこしのんびりいたしましょうね。やっと、本当にかえって来た気になりましょうね、そして、あれこれお喋りもいたしましょうね。私はこんどはかえって来たというより体の前後左右から仕事にたかりつかれた工合で、忙しくて不機嫌になるという珍しい現象を呈しました。大体忙しくてもじりじりしたりしたことないのに可笑しいこと。きっと時候の故もあるのでしょうね。
大事な詩集枕の下において、横になるとき一寸さわって、あああると思って、眠るという風です。深い深い休安、そして安息。心が肉体をとおしてだけ語れ
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