あるでしょう、頭を擡《もた》げた味もあるように思いますがどうでしょう、これはさっきそちらのドアの外で、ベンチにかけていて、フイと思い浮んだのです、校正の出る迄に考えようと思っていたものだから。わるくないでしょう? きょうかえったら原稿紙へ書いて見てもう一度見なおしましょう。(あら、となりの女のひとも手紙かいている)小説集は『三月の第四日曜』。内に入るのはそれと、「昔の火事」「おもかげ」「広場」「築地河岸」「鏡の中の月」「夜の若葉」もう一つ。「刻々」という題でかいたのをすこし手を入れて、別の名をつけて。三百枚ばかりです、短篇の方は二千しかすらないのですって。
 もう一つの方は何部するのか。この間その係のひとが赤と紺の縞のネクタイして来て、何だか上っていて、その話しないでかえってしまいました。やっぱり同じぐらいかもしれず。短篇は松山氏にあとのは寿江子がします、私にしろというのだが、それは寿江子の方がいいわ、上手ですから。『昼夜随筆』というのも寿江子がしました。
『文芸』のつづきのは今昭和十―十二です。十二―十四と大体もう一二回で終ります、そしたら自然主義の時代のところをもうすこし直して明治
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