ってこんどはアパート、こんどは工場、これはいかがと小住宅もつくるというのもあるし。
 石川の「結婚の生態」という小説はひろくよまれるのです、そして参考になりました、というようなことが、若い娘の口から座談会に出ている。可哀そうねえ。娘さんの生活内容も。より若き世代ということはより貧しき世代であってはなりません。
『文芸』の仕事、栄さんとの仕事の必要から、その生態なるものも、解剖しなければならず。買うのが腹立たしいような本というものがあるのは奇妙至極なことね。私は寿江子のをまわさせました。
 いろんな妙てこりんなものをよまねばならず。これも修業の一つかしら。私のこの頃の読書の範囲を考えて、何ていろいろと思いました。どんな知識も有益です。大衆文学性を打破するための本当の知識などは、大いに私を愉快にしますし、自分の常識のあいまいさをも痛感します。常識の誤りに逆手をとられるというようなのは真平ね。御同感でしょう? そして、私は私らしくクスリとするの、私の読書力は、何とリアリスティックだろうと。(云いかえれば、そうね、はっきりしているだろうか、と)分りたいと思うと、分りそうもないものも分るのですも
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