です。湿布して横になって居ります。食慾もあるから大丈夫。ただアスピリンをのむから、胃をわるくしなければよいと思って居りますが。三四日したら直るでしょう。それまではマア、ゆっくり休んでいることです。一粒ハリバの話したら、「うちはまだマーガリンではないバタをたくさんたべているのだからよかろう」と云って居りました。「痛くてホームシックになって、すこし泣いたかい?」ときいたら、「ちっともそんなことはない」って、十八のとき広島へタイプの稽古に行っていたときは、夜よく家が恋しくて泣いたそうですが。
 大体この頃気候がわるいのね、寿江子はすこし調子わるくて、十時就寝励行(!)の由です。やっと、早ねの効験がわかったか、と私は大威張りです、はじめの頃、私が夕飯すむと、もう何となし寝る時間を気にしてそわそわしていたのを、寿江子は大分嘲弄いたしましたからね。「結局眠るということが大切だ」と云うから、「そうやって、お前の生意気が段々なくなっておめでたい」と、これも大笑いでした。
 前の手紙に一寸かいたし、おめにかかって云っていたように今度は大車輪を、私としてはうまくしのぎました、もうこれで、これからやります。
前へ 次へ
全590ページ中113ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング