工場へ入って月給をいくらでもとる方が生活の不安が少いからその方にしようと思うという話です。工場の方へは履歴書を出した由。今、家賃が二十円程入るそうです。それで三人の食費はあるそうです。(何と東京とちがうでしょう!)それにいくらか月給をとることが出来れば嫁さんをとって生活も出来るから、とのことです。島田で雇った運転手が、下松で電信工夫をひっかけてしまい、下松の病院に入れてあるそうです。それやこれやで、小母さんもすっかりおじけついてしまったのでしょう。お母さんもまたそれの善後処理や何かさぞ一人でお働きでしょう。一月二十七日のことだそうです。早速お見舞のハガキ出しました。
富雄さん、猶よくあなたの御意見も伺いたいと云って居ります。
○用件を統一的に片づけるという点についての御注意。書いて終《しま》うと気持で片づいた気になる、というところは、おお痛いと思いつつ思わず笑い出しました。本当に面会、手紙、用事の統一と系統化は大事です、よく心がけましょう。事務的性能の向上ということについての注意は、どうも随分くりかえされなければならないところです。父のお得意の言葉にシステムということがありました。
前へ
次へ
全766ページ中100ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング