チて来ています。前にきいてやったのは、本をよむ時間があるかないかだったが、そのことはやっぱりはっきり分りません。この様子ではなかなか暇もないのでしょうね。
この間『戦う支那』Utley の本、三越へ注文したらことわって来ました。為替のために。
きのうの雨でいくらか電気が安心になりましたね。電気時計が一時間に三分おくれるだけに恢復したそうです。
私はやっとこの頃いろいろ経験して、これからは『中央公論』『改造』『文芸』『新潮』ぐらい折々あつめては製本しておくことにしました。図書館へ行っていろいろやっていると、そうしておくことの必要が実にわかって来ます。これもお蔭さま※[#疑問符感嘆符、1−8−77] 本というものは、昔はただこのみで買っていましたけれど。何年も前の三月のごく初め、大雪の夕刻、繁治さんと私とが同じ方角へ出かけるのに、あなたから『中公』を買うことたのまれて、新宿でさがして、雪ですべってころんだこと、思い出します。あのムク犬靴はいて。茶色の外套着て。
神近市子の良人は鈴木厚という人でしたが、この間この厚氏から印刷物が来て、「市子と離婚いたし候につき」云々と云って来ました。厚という名だけある。市子の名はない。市子さんは全くひっそりしている。複雑なのでしょうと思われます。市子さんは新宿ハウスというアパートにいる由。ユリの読書はこんな式があるところです[#底本では改行なし]
A
G−W<
Pm
[#底本では改行なし]。G−W の部分をこまかによんでいたし、G'−W' のつづきだし。わかります。
おきたりねたりの時間、一日ずつとおっしゃったわね。二十日までの分を。
九月 一日 七・〇〇 一〇・五〇
二日 六・二〇 一一・〇〇
三日 六・四〇 一〇・一〇
四日 七・一〇分前 一二・〇〇
五日 七・二〇分過 一二・三〇
六日 六・〇〇 九・三〇
七日 六・三〇 一〇・四〇
八日 六・四五 一一・〇〇
九日 七・〇〇 一二・三〇(本田キトク)
一〇日 七・〇〇 午前二・二〇(おつや)
十一日 八・三〇 九・一〇
十二日 六・二〇 一一・〇〇
十三日 六・四〇 一〇・四〇
十四日 六・五〇 九・三〇
十五日 六・一〇 一〇・〇〇
十六日 六・三〇 一〇・三〇
十七日 七・一〇分前 一一・〇〇
十八日 七・〇〇 一一・三〇
十九日 六・二五 一〇・二〇
二十日 六・三〇 一〇・四五
乙 十一日
丙 八日
丁 一日
仕事があるとき、熱中しているとき、どうしても床に入る、すぐ眠る式にゆかず、実質的にはくるいを来してしまいますね、床につき、床をはなれる時間ね。床に入って三分ぐらいで眠ってしまうのですが、気の張っていないときは。十時になると、サアと一応そわつくようになったから私も大したものです。
私にいつ手紙かいて下すったかしら。てっちゃんの話をきいてやきもちをやくわけでもありませんですが。
では月曜日に。
きょうは曇天のくせにむします。優しくピム、パムをその胸の下に。
九月二十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
九月二十五日 第八十九信
このお手紙はいかにも同じ区内に暮しているらしくつきましたね。ありがとう。手紙の番号とりちがえたりして、いかにも眼玉キョロキョロをあらわしていると笑いました。きっとあなたもそうお思いになったのでしょうと思って。これは、ですから九十から逆戻りして正しい番号へついているわけです。九十が二つは変だからこの次はいきなり九十一にいたしましょう。どうぞそのおつもりで。
夜ふかしになり易い危険があるのは全くです。いつでもそうね。だから、時々ホラホラと云って下すって丁度いいのでしょう。ユリが、もうそういう努力はおやめだと放ってしまったりしないことさえ十分わかっていて下さればいいのですから。健康のためには全く十一時までの就眠は大したものです、それに眼のことがあって。私は夜のよみかきは心持は悪くないが、この頃のように電力が低下していると、益※[#二の字点、1−2−22]眼をつからしますから。
読書、本当にヨタヨタ歩きの態ですが、どうぞ御辛棒願います。今のところ。岩波文庫のものや何か、いつか云っていらしたのは読みました(他五篇)。もと読んだの、何を、この間オイゲン先生。ここでひかえているのは大部な哲学です。でも、今のをどうやら渡河してしまえば哲学は近いように感じられます。私はこういう種類の読書はずーっとずーっとつづけるつもりです。深く感じると
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