よろこぶ顔みるとホクホクよ。林町で、お手紙よみました。この夏は百合子が云々というところ、何となし読んでいるうちに笑えて来ました。何と云ってよいかしら、その心持。うれしさの一種なのだけれど勿論。おわかりになって? あなたが国男にそう云って挨拶していらっしゃるのを、わきで笑いながら眼玉クルクルやってきいて見ている、その心持ね。
 では、ほんとに、ほんとに、いい年を迎えましょうね。これで今年の分は終り。来年の書き初めは、あなたへの手紙です。どうぞお元気に。四日にちょっとそちらへゆきます、また玉子の御挨拶よ。お出にならなくていいのです、私は気がすまないからだけ。いろんな色つけ玉子があるといいのに、お正月は五つ色の玉子あげるのに、ではね。



底本:「宮本百合子全集 第二十巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年10月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
※初出情報は、「獄中への手紙 一九四五年(昭和二十)」のファイル末に、一括して記載します。
※各手紙の冒頭の日付は、底本ではゴシック体で組まれています。
※底本巻末の注の内、宮本百合子自身が「十二年の手紙」(筑摩書房)編集時に付けたもの、もしくは手紙自体につけたものを「自注」として、通し番号を付して入力しました。
※「自注」は、それぞれの手紙の後に、2字下げで組み入れました。
※底本で「不明」とされている文字には、「〓」をあてました。
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:柴田卓治
校正:花田泰治郎
2004年8月17日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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