れはほんとにユリのもの、というものもあったわ。いろいろとありがとう。あなたが私に与えて下すった、いろいろのよろこびぐらい私もあなたにおくりものしたでしょうか。余り大きい顔も出来ないようにも思えます。さりとて、私はしわん坊だったとも思えませんけれども。四月以降は仕事も相当いたしましたしね。
来年も亦いい一年であるように。きっとそうでしょう。大笑いのこと教えてあげましょうか。新年号には(女の雑誌など)よく占いが出るでしょう。何だったか、この間みたら、私は何だか運がいいのですって。そして、特別に註が入っているの、曰ク、御主人大事にと心がければ吉。笑ってしまった。失礼よ、ね、私に今更そんなこと。私の吉運は八方ふさがりの間にだって、その一点で開運、上吉の卦にかわっていたのですものね。トンマねえと大笑いしてしまいました。
あなたのところへ小さい寄植の鉢がゆきます。どんなものが植っているかしら。福寿草だのやぶ柑子《こうじ》だのがあるでしょうね。いつかキャベジのようなと仰云った葉牡丹はやめました、あれはいいようで何か陰気だから。
あなたの右の肩を三つ、それから左の肩を三つたたいて丈夫に年越しの、おまじないしてさし上げます。どんな? いいでしょう? どうぞ御機嫌よく。元日のお雑煮は今年は、あなたのお箸が私のお箸という工合にします。私はちょっとおしゃれするの。そして、そこにいるような顔してそちらを見るのよ。忘れて、そっぽ向いたままでいらっしゃらないで下さい。あの写真についてはお言葉なし、ね、どうして? まだどっかにおかれているのでしょうか。余り自然で、却っていや? それは又その心持としてわかるところもあります。
子供たちへのおくりものは、太郎にフクチャンの羽子板。窪川の健ちゃんには大きい少年っぽい凧。達ちゃんには赤いリボン。各※[#二の字点、1−2−22]に純毛の手袋一組ずつがついています。あなたのも一組あるの。てっちゃんの子供の靴下も中野の子供のくつ下も買っておくのです。二月ごろ誕生日が来ますから。稲ちゃんは二十八日ごろかえるでしょう、おし迫って大変ね。窪川のおばあちゃんには真綿の上足袋をあげました。私は子供と年よりのサンタおばさんですから毎年。健ちゃんたち久しく行かなかったし母さん留守で淋しいところがあり、凧もって行ったらとび出して来て、タア坊はかじりつきました。私は子供の
前へ
次へ
全383ページ中382ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング