、でしょう。そして、そういうことは、一種のコンクールであるかもしれないけれども、何だか私には堪えられそうもないことです。それに、実に望ましいスピードでないにしろ着々(或は遅々とながら)すすめられている以上、私はそのことにこだわらないでもいいのでしょう?
笑っている口許なのだけれど何だか涙が出てしまった。ね、あなたはユリのための教育の方法としての思いつきと、ユリが日々の感情の全中心をどこにおいて暮しているか、その点での同感と、よく見くらべて下すったのかしら。同感があるからお灸の効果はテキメンとお思いになるの? お灸としての効果という程度で云える場合は、もっともっとちがった生活感情のなかでだと思われます。
単衣のこと。お母さんがお送りになった分で、ずっとお着にならずしまってあるのがあります。この次の夏あたりからそろそろそれらが出て来るわけです。純綿大切としまってありますから。白い麻のようなのですっかりはげたのは、ホラ一昨年紺に染めて寿江子が洋服にして着ているということ、お話したでしょう。筒袖にしたのが一枚。繁治さんにあげたのが一枚。
『医学大典』それは惜しかったこと。『医典』の予約やっぱりあのままにしておきましょう。
森長氏[自注29]のこと、いくらかわかりました。明日おつたえします。
開成山ゆきはおやめにしました。
浜松夫人からの返事どうしたのでしょうね、まだです。一日の速達頂いてすぐ出したのですが。よっぽどわるいのかしら。ごたついているのかしら。様子わからず、又つづけて出すのもどうかと思われるし。何とか考えてみましょう。
目白へは十二日にかえります。どっちみち、おミヤさんを留守番としてたのんで居られない事情になりましたから。そして何とか手段を講じて誰かを見つけます、一緒にいるための人。人のないことおびただしくて、お話のほかです。困たものです。私の場合はぜいたくでも何でもないわけですから。
寿江子たち十五六日ごろにはかえって来るでしょう。
もうそろそろ出かける仕度をしなければならない時間になって来てしまった。では明日。あなたの表現では、夏向きに余白をのこしてとかかれているのをよみましたけれど、きょうのは何かしら。
ああ、でも何だかいやですね、白いところのどっさりのこっている手紙など。「雨が降ると龍になる。降らなくても龍になった」の物語、お思い当りにな
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