@それからこの間お話の謝礼のことについての処理の方法など、私はあのとき、自分あっさりすぎるとしみじみ思いました。何かを対手へなげかけてひっぱるという風なところがないのね。チョコチョコ行って、あなた来ますか? ソウ? 来るんですって。それ式ですね。私はどうも、いつも対人的ないきさつではあっさりすぎるようです。大変フームと思いました、あなたについてもよ。面白く思いました。
 規約のこと、筆耕テンポのこと、承知いたしました。規約は又写しましょう。その方がはっきりしてようございましょう。芝のおじいさんのところへ行ってしらべること、まだあれからは行けませんでした。
 書評について、どうもありがとう。云われていることよくわかります。そんな風が気がしました。そういうところが目におつきになるのではないか、そう思いました。自分で読みかえしたときにも。今に又なんかの折、すこしはましな書評でもおめにかけたいものです。しっかりした骨格を内につつんで、ふっくりとした肉つきのつよい線のものが書きたいことだと思います。
 今書いているつづきのものについてはそういう点も自分から気をつけているつもりです。底へ底へとふれてゆく、その感じで書いているから。単行本にする話が出て居ります。あれだけ。文庫にでもすればよいでしょう、とにかく多く不足の点があり、外部の事情から全面の展開のひかえられている箇処もあるけれども、ああいうものはこれまで一つもないのだから。社会の状況、その生きた関係で見られた文学の潮流、その中での婦人作家のありよう、それが又再び、当時の歴史へと照りかえりつつ進んでゆく姿としてとらえられることは、何かの価値はあるでしょう。
 二十五日には工合わるくて行けませんでした。二十六日もそのつづき。ユリの体も、しかし盲腸なくなって、どの位ましでしょう。この頃の出勤のつかれるのは、只時間とか何とかではないのでしょうと思います。ぐるり、どっち見ても普通人はチラホラという中にかこまれていれば、やはりくたびれかたもちがうというようなものです、二重の刺戟みたいなもので。二十五日のあとは七、九と出かけました。
 冷水マサツは、やる癖になりそうです。ずっと続いて居ります。問題は初冬、晩秋ですね、きっと。そこを通ればきっとつづきましょう。それでも、ユリは真冬でも朝晩つめたい衣類、すっぽり着かえる習慣だから或はやり通せ
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