ェ日に出る由です。

 十二月十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

 十二月十二日
 エキホスがきいて胸の気持が楽になり、きょうは例の五時すぎに七度三分。喉も大分ましです。変な声を出して耳の中へ自分の声が響いてこまりますが。寿江子それでもきょうお目にかかりに行って。たまには私がかぜをひくのもよいかもしれない、彼女のために。大変丈夫らしく見えていらっしゃるとさち子さんも云い、寿江子も云い、栄さんも云ったから、本当なのでしょう。うれしいこと。私は毎日よくばった気持で見ているし、細君と友達とではそちらの気分も又おのずからお違いになろうし、私にはなかなかまだよくばった望みがありますが。
 明日も行けない。繁治さんが時間のくり合わせをつけて何とかして行きたいと、先日から云ってくれて居りますから、誰も別の補充は立てず。但、用事を手紙で申します。
 弁護士のこと。別に二人の人がわかりました。一人は小沢茂氏。この人は初め栗林氏と共についていて、後ことわられた人。理由はやはり同一の由です。明治大学出? か何かの若い人。私に西巣鴨で会ったことがあるという話の由。私は、ではあの人だったかと背の
前へ 次へ
全473ページ中419ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング