ウに心から感謝いたします。このすーっとした心持の手紙を書いていると、この間うち書いたいくつかの手紙を思いおこし、そこには一生懸命さと共に一抹の不安、どういうのかしら? というものが漂っていたことを感じます。
とにかく土台のところでは十分承認されているというこの心持。これによって私は生かされているのだし成長もして行くのです。私の精髄的なものが、ここにこめられている。これで、私は今年の冬も愛らしい、春のような冬、我々の冬として暮して行ける自信にみたされました。もう今から、特別な心で眺めて待っている月の色、一月に入れば、次第次第に輝きをまして、一夜恍惚たる蒼い蒼い光りに溢れる月に向って、一層新たな歓喜の挨拶を送ることが出来ます。
これから段々事務的な用も多くなるでしょうし、あなたの用もおふえになるでしょうが、それにつけても、よかったことね。私はこのうれしさで、勉強もしんから身につき、与えられる助言の実現努力に骨惜しみしない自分を約束しながら、あなたの手を執り、それを胸において、更にわが手を重ねます。
十一月二十一日夜 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十一月二十一日 第
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