ました。春立ちかえる家の内と云う有様がうかがわれます。顕兄さんにもよくよくつたえて、と云って来て居ります。県立の学校があるのですってね、そこへ入る由です。富雄さんの気分も一転して明るくなったそうです。東京にすこしいて、今までとちがう雰囲気にふれたのは大層よかったらしく、骨折り甲斐があって何よりです。ではこれで、この手紙はおしまい。

 十月三十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

 十月三十日  第六十七信
 二十八日づけのお手紙をありがとう。これは今朝例によって新聞や何かと一緒に現れました。
 きょうの手紙はくりかえし拝見しました。特別な注意と吸収とをもって。ここに書かれているいろいろな点は非常によくわかります。所謂こわい手紙風に、感情へのいきなりの感覚ではなしに。
 これは、これまで私の頂いた数多いよい手紙の中でも、一層ねうち深いものであり、伝えるものも深く、そして勁い。心からの御礼を申します。
 悪質な空気の中での成長のためには、空気のわるさや、それによって窒息してゆく者の姿を描き数えることではなく、現実にそれとの正当なとりくみを行って、健康性を創ってゆかなければなら
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