フためでなく私のところへ来るというようなこともない。そんな工合です。日常生活では、まぜこぜ風の、長屋風の親しさでない。それぞれに一城一廓をかまえている。
 知人と云い得る範囲の中で、比較的近い人々には幾組かの若い夫婦、働いている女のひと(元から知っている人、そうでない人も入れて)健造が小さかったとき、キングコングをして遊んだ戸台の俊一さん等(池さんその他あの一かたまり等)この知人の関係は、Tさんが数日の滞在の間にびっくりしていたが、身の上相談(勉強のことその他)が多いことになってしまう。
 てっちゃん、徳さん、さあ、これはどのカテゴリーかしら。例外の部ですね。そちらへ頻りに行ってくれるが、こっちへは滅多に姿を見せぬてっちゃん。徳さんは折々よって、今日は元気そうだったとか、やっぱり下痢はやせる、などと云ってくれるが、親しい部にすぐ入らないのは、出て来てまだ十分落付いていず、考えかたが、ちょいちょいどっかに走っていて、よく納得出来ないところがあるから。勿論親切で、くさってはいないが。
 数年間の風雪は、弱いかたまりを粉々にふきちらしてしまっているから、偶然何かの会で顔を合わせれば口をきくと
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