ムをもって生きることが出来たでしょう。私は妻という(しての)気持から、あなたとしては極めて自然に云われた数言を、耳へしみこませ、わが懐の奥ふかく蔵《しま》う心持です。
だから、私は自身の不注意などの原因で弱くなったりしてはすまない、一層そう思います。糖を出していなかったり、虫にくわれていないことは、せめてもの申しわけです。ああ、ああ、何とほっとしたでしょう! このしるしをつづけて雨だれみたいに並べたい位。私は病気がきらいなの。自分が病気なのは一等きらいです。臥て、動けなくているなんて。ましてこの頃。いいお灸と申すべし。ちゃんちゃんといろいろしらべて本当によかった。
御心配をかけたことをすまないしするが、今はうれしくて、手をつないでピンつくピンつく跳ねまわりたいようです。これからも益※[#二の字点、1−2−22]食事にも気をつけ、現実的に合理性を発揮します。
ああ、こんなうれしさは何と珍しいでしょう。お赤飯たいていい位だと思う。では又別の手紙でいろいろ。
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[自注11]智恵子さん――杉山智恵子、杉本良吉の妻。
[#ここで字下げ終わり]
九月十八日朝 〔巣
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