轤黷スりするのではないでしょうか。
 私は余り苦しいから、しきりに考えます。私たちの間で話されていることについてのお互の根本的な理解で、齟齬《そご》しているところは無いと信じます。仮令それが私自身のいろいろな到らない点にふれていることであったとしても。それはわかっているのだとしか思えません。分ってはいるのだが、あの場処でああいう長篇的展開をはじめると、その過程でどっちかが一人で進んでいるような瞬間、時間的に中断され、苦しいことになるのではないでしょうか。
 毎日でも会えるということの中には、斯様なものがいかにも潜んでいます。
 貴方はどんなにお感じでしょう。恐らく私より大してましなことはあるまいと思われます。いつも真直に幅ひろい視線で私の上に注がれている眼を、その暖かさは失わず、然し或微かな身ぶりと共にお伏せになる表情を、私は平気で見ていられません。かえっても、その表情と身ぶりとが私につきます。いそがしい交通機関の波の間に、いろんな用向や人との応対や笑いの間にさえ、その身ぶりは私の心をひっぱりつづける。
 視線が合えば、互の切りくちがすっかり合ったよろこび。そのよろこびでどんな苦しさも
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