トいらっしゃる耳にきこえているだろうかしら。
 きょうは、まるで電話が途中で切れて、もうつながらないままボックスを出て来るような気持でしたね。こういうのは、又こういうのでいかにも困る。私としてこう云いたかったのだとか、或は、貴方のおっしゃる意味はこうだったのだという、考えて分ること、考えて筋の立つこと、そういうことが話しのこされたのとは又異います。何という独特な舌ざわりでしょう!
 私たちの話は細かいところまでふれつつ、その細部を穿《うが》って大きいものに触れている方法なので、金や本や衣類の用向きの形はとらないから、日常必須の用件とうつらないのでしょう。
 ああいう話しは、私たちにとって欠かされないものだけれども、どうしても一定の時間がいります。単な[#「な」に「ママ」の注記]言葉数でない時間がいります。同じ土台、同じ線の中で話していることは勿論わかっているのだけれども、互の気持がぴったりするところまでゆかないうちに中絶されて、どこかくいちがった感覚でのこされる。これは私にとって感覚的に大変苦しい。そちらもそうでしょう? あれも、これもわかっている、けれども……。そこで切れる。これは謂
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