まそうか?」ときいたら「イイエよろしうあります」と云って、そして歌を小声でうたい乍ら出かけて行きました。如何にも若い者らしくて云うに云えない美しさがありました。きょうも暑い。
きのうと先刻まで、私は徳山から買って来た巻紙と封筒とで三十五日の忌あけの礼手紙を書きました。もうこちらに居るのも一週間ほどになりました。あともう一通手紙を書くと島田からの分は終り。
お体はどうかしら。大丈夫ですか? 凌ぎにくくむしている。余りむすので一層大汗をかこうと大童《おおわらわ》で火夫をやったり何かしています。京都神戸雨の水害あり、こっちもグズグズの天気でそれかと云って降らずにむしている。仏様のお花がいるのとすこし暇がお出来になったのとで、裏に小さい花畑が出来そうです。多賀ちゃんが好き且つ上手です。
たか子氏の「南部鉄瓶工」をよんで実に感じるところあり。文学の批評が作品の世界に十分ふれて語らなくなってから、生活そのものが何と盲目に流されて行くことでしょう。強力に流されつつ文学がフラフラついてその旗をふりつつ、歴史は更に複雑な多難な方へと内容づけられて行っている。自身の経験の裡からでなければ成長しないと
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