P4   七時十分前  六・六  九時半     六・六
15   六時半    六・七  十時      六・五
16   七時     六・六  かぜ気で午後からずっと床に入ってしまった日 六・六
17   七時     六・五  午後から床の中 六・四
18   六時四十分  六・五  九時四十分   六・五
19   六時半    六・四  十時十分    六・四
20   七時     六・五  十時半     六・五
 十六日を中心として本月は熱を出しませんでした。段々いいこと。
 この頃はこの仕事も大した苦労でなし。

 十一月二十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

 十一月二十一日  第七十三信
 さっき手紙を書いたのだけれども、急に大変話しがしたくなりました。夕飯をすまして又二階へ来て栄さんの小説をよみかけているのですが。
 御飯のときひさと喋っていて、この家にはともかく来年で足かけ三年暮したとか、あなたにお正月の着物を仕度するとか、そんなこと云っていたからかしら。私たちの御秘蔵の大島をおきせしようか、それともあれは春までおいて、別に一組こしらえようか、そんなことを考えているの。久しく新しい着物もあげないから、一つ新しいのを見せてあげようか。御秘蔵はふだん着て膝がぬけてしまうと残念のようでもあるでしょう。あの着物の襟の合わせめのにおい。あの着物にしかないように思われる。
 六つばかりのとき父がイギリスにいて、夏虫干しをしたら父のきていた冬着が出ました。父のにおいがする。お父様の匂いがする。暑い暑いのに、それを着て、泣きねいりをしてしまった。大人になると、そういう感情表現を、物狂わしいと見るのは、何という風俗でしょう。非常に不自由を感じます。着物をいじるごとにそれを感じる。
「仕立屋へはやらないよ、どっち道。又綿をポンポコ入れなければ駄目だから」「私がもっと上手だといいけれど」「又本間さんにたのもう、本当にちゃんとはじめなくちゃ駄目だから」ちゃんと始めるというのは、おひさ君の勉強です。
 折角私たちの家にいて、一年いて、何もしない只台所している、それではいけない。何かしたい勉強を考えるようにと云っていたら、小学校教員になりたいということになりました。外の職業で、結婚と妊娠とでこまる例を見ているので。女学校を出ているから、尋常の正教員には
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